春休みが始まった。
夫と私は在宅ワークなので、子ども三人と夫と私の、家族五人が常に家の中にいる。
自分の心の声はおろか、夫婦の会話も聞き取れないほど、騒がしい。
朝昼晩と、ご飯は三食、五人前。
1ヶ月で30キロのお米を消費する。
春休み初日の正午、私はすでにイライラしていた。
キッチンで昼食を作りながら、思わず口をついて出た言葉は
「あー早く春休み終わらないかな」だった。
子供達は聞き逃さずに
「えーそんなこと言わないでよ。楽しみにしてたんだから」
と笑って反論していた。
作ったそばから鍋が空になっていく。
作れども作れども、足るを知らない育ち盛りの子ども達。
ここまでは成長の証と微笑む余裕はあるのだが、一番おかわりをしている食欲旺盛な夫と、出てきたその腹を見ていると、私の笑顔は消えてしまう。
どんどん重くなる鍋、それを持つ私の腕も、どんどん太くなり、そのお陰か最近では、鍋を持つ手が軽やかになったなと、誰にもわからない場面で、自分の成長を感じたりもしている。
そんな時、一番下の娘が、キッチンカウンター越しに、私を見て嬉しそうにこう言った。
「ママがキッチンに立つと、キッチンが光って見えるね」
これだから、母は頑張れてしまうのだ。